読書

『ディズニーキャストざわざわ日記』人間味あふれてて面白い。

 

夢の国のありのままの姿を綴ったエッセイ

かわっちょ、実は、ディズニーキャストしていたことがあります。

半年だけだけど。ディズニーホテルの方でだけど。

(ディズニーアンバサダーホテルのフロントでアルバイトしてたよ。)

元キャストという立場から読んでも『ディズニーキャストざわざわ日記』はほんとにね、ディズニーのリアル(現実)が描かれていて、すごくおもしろかったです。

OLC本社の構造とかもほんとそのまま描写されてて、ちょっと守秘義務心配になったくらい。(大丈夫なんだろうか)

(夢の国の)ありの~ままの~姿見せ~るの~よ~♪♪(アナ雪)って感じだね。

ありのままの姿、見せちゃってました。書いちゃってました笑。

 

ありのままの姿を見せてるっていっても「暴露」みたいなどぎつい感じじゃなくて、爽やかなんです。

エッセイ集だからでしょうか。エッセイだからディズニー感動本みたいにきれいなところだけではなく、夢の国に集う人間たち(キャスト・ゲスト)のありのままの日常と笠原さんが感じたことが率直に書かれているわけです。だから面白い。

夢の国に遊びに来る人、夢の国で働いている人、相互作用が働いて面白い人間模様が描かれています。

 

表紙からして「ざわざわ」する

もうね、表紙からしてね「ざわざわ」するのよ。

な?ざわつくだろ?ざわつきポイントてんこもりだろ。

「ハッピーなことばかりの仕事などない」

重いwwwwwwwハピネスお届けする会社の重すぎる現実wwwww

世の中のおもーーーーーーい現実を帯でビシッと打ち出してきます。

いかにも頭の悪そうなクソガキwwwwww

めっちゃポップコーンこぼしてる。こぼしまくってる。

そして、ポップコーンをめちゃめちゃ嫌そうに集める笠原氏(作者)wwwwwwwww

顔死んでるwwwww死にすぎだろwwww顔に出すぎやろwwwww

笑顔どこいったwwwwディズニースマイルしてくれwwww頼むwwww

こんなキャスト見たことねぇよwwwwwあからさますぎだろwwwwwww

 

表紙からしてざわざわが止まりません。

 

「転べ!」と心の中で叫んでしまった。

「走ると危険ですから、ゆっくりと進んでください!」

そう叫ぶが、効果はなく、彼女は私に目もくれず、そのまま走り抜けていく。

他人のことを考えない危険な暴走に、走り去る背中に向けて私は思わず、

「転べ!」

と心の中で叫んでしまった。

(p39~「走ると危険です」より引用)

なんて正直な告白なんでしょうか。

ディズニー感動本ではまず描かれない描写ですね。正直ですね~笠原さん。

開園すると同時に走り抜けていくゲストも多いんですよね。

この後の展開もすごい面白かったです。

 

夢の国にもいろいろあるよね。人間だもの。

人間関係

同僚キャストは性別も年齢も人生経験もマチマチであり、日々さまざまなあつれきや衝突が起きるのは仕方のないことである。

キャストの直属の上司であるSVのもとには、毎日のように人間関係上の問題が訴えられるという。

(p120~「人間関係」より引用)

まあそうですよね。

みんな仲良しこよしの職場なんてない。どこの職場もいろいろあるもんです。

このお話は笠原さんがSVからまさかの指摘を受けたところから始まります。

最後は爽やかな終わり方です。

 

苦手な人

また苦手だった同僚キャストについても赤裸々に描かれています。

小泉さん(作者が苦手だったキャスト)のおもてなし力は別の意味ですさまじいものだった。

一緒にオンステージで掃除をしていたときのことだ。

親子連れのゲストが彼に「この近くで洋食を食べられるレストランはありますか?」と尋ねた。

すると彼は「あっちのほう」と顎をしゃくりあげるようにして方向を示した。

(P65~「苦手な人」より引用)

いやぁ~~~~~ワルですねぇWWWW

元キャストだったかわっちょからしても信じられません。

特にホテルのフロントだっから、こんな対応まず許されない。

その後小泉さんはゲストと問題を起こしてクビになったそうですが、こんなキャストがいたという事実がびっくりです。

 

夢の国で働くやりがい

楽しい時間を提供できたという実感

ゲストにパレードを見るのに良い場所を尋ねられ、笠原さんが見つけたおすすめポイントを教えたときのことです。パレードが終わった後、ゲストが再び笠原さんのもとにやってきて

「さきほど教えてもらった場所から見ました。たしかに最高の場所でした。その御礼が言いたくて捜していたんです。ありがとうございました!

(P173「君子危うきに近寄らず」より引用)

とわざわざ言いに来てくれたそうです。

ゲストに楽しい時間を提供できたという実感は、この仕事の喜びでもあった。

(P173「君子危うきに近寄らず」より引用)

ゲストに楽しい時間を提供できたという貢献感、やりがいですよね。

 

笠原さんの去り際がすがすがしく爽やか

私は、いつの間にかいなくなっていたという感じでそっと辞めたいと思った。

大げさなのは恥ずかしいし、キャストの退職は日常茶飯事で特別なことではない。

それに定年退職といっても8年間働いただけだ。

好きな人もそうでない人もいた。良い思い出も悪い思い出もたくさんあった。そんな日々も今日までなのだ。急に、さみしいような、清々したような、懐かしいような不思議な気持ちが突き上げてきた。(P202「定年退職」より引用)

笠原さんはおとなしい性格、謙虚な性格なんでしょうか。

自我にあふれているかわっちょとは違う性格で、こんな考え方をする人もいるのかとびっくりしました。

かわっちょはもうね、みんな騒然としてほしいもんwwwwww

さみしがってほしいwww

「いなくならないでぇえぇっ!」って阿鼻叫喚みたいになってほしいもんwww

こんなにスマートでさわやかな退職をかわっちょもしたいと思いましたとさ。

かわっちょは「我!!!」って感じだからさwwwww

 

結論・まとめ

めちゃくちゃおもしろいエッセイ

結論としてはめちゃくちゃおもしろい人間味あふれるエッセイ、ってことになりますね。

読み物としてお勧めします。

あらかじめ誤解のないように強調しておきたいのだが、私は東京ディズニーリゾートやオリエンタルランドを批判したり、中傷したりする意図は毛頭ない

実際に現場で勤務をした立場から、見たまま、感じたままを率直に伝えたいという気持ちだけである。

私がすごした8年のあいだ、ゲストとの感動的な触れ合いもあったし、オリエンタルランドの人材育成に感嘆したこともある。

その一方で、SV(スーパーバイザー)からの指示に疑問や不満を抱き、つらい汗をかいたこともある。

楽しいこと、ハッピーなことばかりの仕事などない。

それはほかのすべての仕事と同様、ディズニーキャストだってそうなのである。

p6「まえがき」より引用

 

ほんとにね、まえがきのままの本。

一橋大学卒業されてるだけあって文章力が高い

読みやすい。繰り返しになりますが、エッセイ・読み物としてお勧めします。

 

 

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